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文献詳細

雑誌文献

臨床婦人科産科13巻4号

1959年04月発行

実験的研究

性周期における恥骨結合離開

著者: 藤井久四郎1 田中晃1 田口又也1

所属機関: 1東京医科歯科大学医学部産婦人科学教室

ページ範囲:P.307 - P.310

文献概要

 妊娠時に於ける母体の変化のひとつとして,骨盤の関節は骨盤諸靱帯が弛緩することにより運動性を増し,分娩に有利な状態を準備することが知られている。Goldthwait & Osgood8)(1905)は婦人の骨盤弛緩が妊娠中のみならず,月経中にも軽度に生じた例を始めて報告した。Martius etal.19)(1952)は月経前に恥骨結合及び仙腸関節の運動性が増加すると述べ,Chamberlein2)(1930)は腰痛を訴える非妊婦にX線撮影により骨盤の弛緩を認め,恥骨結合弛緩は疼痛と共に発生し,疼痛が最も強くなるのは月経直前であると報告した。この様な骨盤変化の原因はホルモン作用に基づくと考えられ,3種類の卵巣ホルモン即ちEstro-gen, Progesterone及びRelaxinが挙げられて来た。Büscher & Kamieth1)(1956)は主として前立腺肥大患者20例にStilbestrolを投与し,その8例に恥骨結合の運動性を認めた。Eichner etal.3)(1956)はRelaxinを78人の婦人に投与し,その9人に離開を見出した。
 哺乳動物の多くの種類に於いて妊娠時の骨盤変化が観察されて居り,殊にモルモツトとマウスに就いては注意深い研究が行われて来た。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1294

印刷版ISSN:0386-9865

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