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文献詳細

雑誌文献

臨床婦人科産科13巻4号

1959年04月発行

文献概要

実験的研究

マウスの恥骨結合撮影法及び妊娠による恥骨結合離開の観察

著者: 藤井久四郎1 田中晃1 田口又也1

所属機関: 1東京医科歯科大学医学部産婦人科学教室

ページ範囲:P.311 - P.318

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緒言
 妊娠時に於ける母体の変化の一つとして,骨盤諸靱帯の弛緩することは古くより知られた事実であり,既にHippocratesの著書の中にも婦人に於ける分娩時の恥骨結合離開について言及して居る。婦人の恥骨結合のX線学的研究はかなり多数にのぼるが,本邦に於いても尾島12)(1938)は経腟的撮影法により非妊婦では平均3.26±0.04mmであるが,妊娠早期より離閉し始め略々其末期迄増大を続けて,妊娠前半期には平均4.31±0.11,後半期には5.29±0.10,末期の2ヵ月では5.65±0.13であると述べ,山田15)(1954)も同様の方法によつて非妊未産婦の恥骨結合最狭部の距離は2.56であるのに,妊娠10ヵ月には3.99に迄離開するのを観察した。恥骨結合が妊娠時に離開し,骨盤諸靱帯も弛緩することが,内分泌的に起る現象であるとすれば興味深い。
 このような骨盤の妊娠性変化の原因については,これまで妊娠時に増量するEstrogen及びProgesteroneなどの作用によるものと推定された。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1294

印刷版ISSN:0386-9865

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