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文献詳細

雑誌文献

臨床婦人科産科13巻4号

1959年04月発行

文献概要

手術・麻酔

チオバルビツール酸系新静脈麻酔剤イナクチンの使用経験

著者: 光石堅1 林昭1 鈴木孝1

所属機関: 1慶応義塾大学医学部産婦人科教室

ページ範囲:P.347 - P.349

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緒言
 従来産婦人科領域に於ける短時間静脈麻酔剤の主なるものとしてHexobarbital, Amobarbi-tal,Pentothal Sodium, Thiamylal Sodium等があり,各々良好な成績が得られているが,尚時に一過性の呼吸停止や,舌根沈下等の副作用が見られる。1952年末,HamburgのPromonta社はチオバルビツール酸系の新静脈麻酔剤イナクチンを発表したが,本剤は上述のバルビツール酸誘導体に比し,本質的な長所を有する様に思われる。他の慣用されている薬剤でしばしば見られる副作用,例えば筋振顫,チアノーゼ,呼吸障害,他の麻酔剤への移行時に起る咳嗽刺激及び覚醒時の興奮はイナクチンでは現われないと言う。
 今回われわれはこの新しいThiobarbituratであるInactin即ちAethyl—(1 methyl-Propyl)—malomyl-thio-UreaのNa塩を入手する機会を得たので各種婦人科的手術患者に使用して見た。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1294

印刷版ISSN:0386-9865

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