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文献詳細

雑誌文献

臨床婦人科産科13巻4号

1959年04月発行

文献概要

手術・麻酔

人工妊娠中絶のEpirocaine麻酔について

著者: 斎藤達郎1 山口光哉1

所属機関: 1足利赤十字病院産婦人科

ページ範囲:P.351 - P.353

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 人工妊娠中絶の麻酔法は古くより各腫の方法即ち,スコポラミン迷朦麻酔,静脈麻酔,吸入麻酔,腰麻.局所浸潤麻酔等があり各人の好みで行われている現状である。之の中で局所浸潤麻酔は方法が一定していないためか術者によつて効果が不安定であること,又静脈麻酔が患者に喜ばれる等の理由で案外行われていない。勿論静脈麻酔は優れているが時に呼吸困難等の不測の事故もあり無意識に動き,手術が困難になることも時にあるので完全とは云い難い。最近東京逓信病院の安井博士は2%Epirocaineを使用して子宮頚部前后側に注入して無害安全に効果よく内容除去を行い得ることを報告され且之の使用をすゝめておられる。吾々も数年来1%〜0.5%Novocaineを以て局所浸潤麻酔を行い可なりの効果を得ているので従来のNovocaine麻酔と2%Epirocaine及び1%Epirocaine麻酔とを比較観察して見た。
 さて局所麻酔(浸潤及び伝達)法の原則は1)薬液を血管内に刺入せぬこと。2)反応—即ち軽くは精神興奮,筋のけいれんから重くは全身けいれん,虚脱感,所謂ショック症状等に注意をする要があること。3)毒性は濃度薬量に比例すること等を知る必要があり従つて注射手技についても薬剤についても自ら研究されねばならない。EpirocaineはNovocaineに比して麻酔の発現は早く持続も長いと云う。毒性も少いので安全性が大であると云う。従つて上の目的に合致する薬剤と云える。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1294

印刷版ISSN:0386-9865

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