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文献詳細

雑誌文献

臨床婦人科産科13巻5号

1959年05月発行

グラフ

ストロマトージス

著者: 東京大学医学部産婦人科学教室

ページ範囲:P.389 - P.390

文献概要

 Stromatosisは1908年Doran & Lockyerによつて初めて報告されて以来現在迄約100例を数えるに過ぎない。子宮内膜に原発する腫瘍で,Adenomyosisの異型と考えられるが,前者が腺細胞と基質細胞が共に増殖し卵巣ホルモンの影響を受ける非腫瘍性疾患であるに対し本症は主として基質細胞の単独増殖より成り卵巣機能と関係のない腫瘍性疾患である。子宮筋層内へ或いは子宮腔内に腫瘤を形成し更に発育が進展すれば附属器,広靱帯,膀胱,尿管,直腸,後骨盤壁に拡がり時に肺に転移することもあり,或いは又悪性の態度をとつてSarcomとの鑑別が問題となることが屡々ある。
 症例:44才,5回経産,月経30日型順。昭和33年8月より持続性性器出血あり。11月当科を訪れ,子宮体筋腫並びに頚管筋腫ポリープの診断のもとに腟式子宮全剔出術を受く。剔出子宮は第1図に示す如く,超鵞卵大,内面後壁に球状の腫瘤を認め,その表面より多数のポリープが突出し一部は外子宮口に達している。弾力性あり,表面は出血のため暗赤色,平滑で,断面は淡黄色を呈する。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1294

印刷版ISSN:0386-9865

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