文献詳細
異常分娩
人工妊娠中絶後に起つたいわゆるLower nephron nephrosisの1例
著者: 竹内繁喜1 名取光博1 柳田昌彦1 吉川千寿郎1 大川昭二1
所属機関: 1東京都立築地産院
ページ範囲:P.395 - P.399
文献概要
産科領域における最も危険な合併症としては子癇,前置胎盤,胎盤早期剥離,子宮破裂等があげられる。これ等疾患は輸液,抗生物質その他薬剤,手術及び麻酔技術の進歩で次第に解決されつつある。然し広義のいわゆるショックについては近年数多くの研究発表に接し,徐々にその本態が解明されて来たとは言え,なおわれわれ臨床医家にとつては極めて不可解な問題であり,日常最も重視されねばならぬ。
最近われわれは妊娠5ヵ月の人工中絶に当り,電撃的経過で母体を死に至らしめたが,剖検所見からいわゆるLower nephron nephrosisと診断し得た症例を経験したので報告する。
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