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文献詳細

雑誌文献

臨床婦人科産科13巻5号

1959年05月発行

薬剤の臨床

妊婦の貧血に対する筋注鉄剤フエロバルトの使用経験例

著者: 青木大吉1 角田英昭1 竹村敏朗1 黒島義男1

所属機関: 1慶応義塾大学医学部産婦人科学教室,東京都立台東産院

ページ範囲:P.435 - P.436

文献概要

I.緒言
 妊婦貧血は,母体の体力低下・胎児の発育・分娩時の出血・分娩後の母体回復等に影響を及ぼすものである。頻度はさ程多くない様であるが外来に於て時々貧血症状を伴う者が見られる。これらの多くは低色素貧血で,悪性貧血は稀である。低色素貧血に対しては鉄剤投与が有効で場合により輸血が行われて来た。しかし,鉄剤は比較的長時期にわたつて使用しなければならず且つ胃腸障碍のある患者では内服に耐え得ない。そこで,これらの患者では内服に代えて鉄剤の非経口的投与が必要となるのである。従来,鉄の注射剤は重金属特有の副作用(嘔吐,戦慄,胸内苦悶等)を伴つたが,鉄剤の注射が局所及び全身に副作用なく行われ得るならば,その吸収の迅速と技術の容易さと相まつて理想的な治療法といえよう。
 ここにわれわれはエーザイの筋注鉄剤フエロバルト(2c.c.中に金属鉄100mg.をデキストラン鉄として含有)の注射を,貧血症状を認めた妊婦に試み,顕著な成績を得たのでここに報告する。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1294

印刷版ISSN:0386-9865

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