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文献詳細

雑誌文献

臨床婦人科産科13巻5号

1959年05月発行

診療メモ

婦人の虫垂炎に関するメモ

著者: 清水直太郎1

所属機関: 1九州大学温研産婦人科

ページ範囲:P.455 - P.460

文献概要

 虫垂炎はその保存治療は勿論,手術も亦外科のみならず婦人科でも行うので,婦人に於ける虫垂炎の頻度は把握し難く,Hoffmann等は婦人では男性より稲々多いとするが,Rotter等は略々同数とし,Sprengel,Ramberger等多数の人は婦人では男性より稍々少ないとみている。
 虫垂炎に手術が必要であることは一般に非常によく理解されており,虫垂炎といえば手術を説明する必要がない位で真に好都合である。これは一面に於て虫垂手術は皮膚切創が小さく,術後の経過が順調で恢復が早いためか,所謂開腹術をうけるという感じをうけないためのようである。外来で内科や外科の病気をした事はありませんかと既往症を問診すると,ありませんと直ちに返答した人が改めて盲腸の手術等はしたことがありませんかと尋ねると,盲腸の手術はしましたと大して忘れていたというような感じも示さずに答えることが寡くない。このように大して危惧の念もなく軽い気持で早期に手術をうけていることによつて得られる臨床上の効は極めて大きく,特に産婦人科的には次のような点から早期手術の重要性が痛感される。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1294

印刷版ISSN:0386-9865

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