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文献詳細

雑誌文献

臨床婦人科産科13巻6号

1959年06月発行

臨床研究

子宮癌患者の尿中排泄物質の検討(1)—螢光物質について

著者: 森下宗司1 徳橋弥三郎1 交告益朗1

所属機関: 1名古屋大学医学部産婦人科教室

ページ範囲:P.479 - P.482

文献概要

I.緒言
 生物体に蛍光物質のあることは,相当古くから知られて居り,かゝる蛍光物質は非常に微量であるに拘わらず,強い蛍光を発し,しかも殆どの蛍光物質は生体内で重要な役割を示しているものが多い。最近に至つてこの蛍光物質は各方面より検討されるようになった。即ちJacobson1)は胃腸粘膜のArgent affin cell中に,Bodine FitzGerald2)は昆虫の卵発育中に,又渡辺3)は悪性腫瘍組織中に,それぞれ未知の蛍光物質を発見し,之がPterine系の蛍光物質であると考えている。又H.m.Rabuowitzは良性腫瘍と,悪性腫瘍の患者の尿を夫々何例かについて蛍光を測定し,そこに良性,悪性の差が蛍光に現われることを実証し,一つの補助診断となるとさえ云つているが普遍されていない。堀田,加藤,石黒5)等は各種疾患の尿中蛍光物質を検索しており,その他各種の蛍光物質について数多くの発表がなされている.私共は婦人科に於ける特に子宮癌患者の尿について検索を行い,癌患者の尿が正常者尿とどこか違いがあるのではないかと考え,それを先ず蛍光物質に重点をおいてしらべて見たのでその一部を先ず報告する。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1294

印刷版ISSN:0386-9865

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