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文献詳細

雑誌文献

臨床婦人科産科13巻7号

1959年07月発行

実験の研究

実験的にみた下垂体前葉の性腺刺戟能力と授乳との関連

著者: 藤井久四郎1 鑓田進一1 征矢嘉行1 畑中貢1 熊坂高弘1 平野俊雄1 寺門運雄1

所属機関: 1東京医科歯科大学医学部産婦人科学教室

ページ範囲:P.569 - P.574

文献概要

Ⅰ.緒言
 ラッテにおいては分娩後,間もなく排卵が起つて卵巣には黄体が形成されるが,これは通常の性周期の場合とは異り妊娠時に似て発達し,授乳期間中存続して大凡3〜5週間は発情が現われない。これは授乳黄体と呼ばれているが,発情の止まるのはこの授乳黄体のためと考えられておる。ラッテの黄体の機能を賦活し維持するのはpro-lactinであることがEvans, Simpson&Lyons(1941),Astwood(1941)によつて明らかにされ,又乳頭に加えられる哺乳刺戟が中枢性に下垂体前葉へ作用してprolactinの分泌を促すものと推定されている(Selye, Collip & Thomson1934)。
 然し哺乳刺戟が直接に中枢性に下垂体前葉の性腺刺戟能に抑制的に影響を及ぼしそのために授乳中発情周期が抑制される可能性も十分にある。何故ならば授乳期黄体はすべての哺乳類に存在しないからである。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1294

印刷版ISSN:0386-9865

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