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文献詳細

雑誌文献

臨床婦人科産科13巻7号

1959年07月発行

薬剤の研究

トリコモナス腟炎に対するトリオン錠の使用経験

著者: 梅内正利1 藤井明和1 遠藤徹1 渡辺猛1 松井一郎1

所属機関: 1慶応義塾大学産科婦人科学教室

ページ範囲:P.597 - P.599

文献概要

Ⅰ.緒言
 Donnéは1836年婦人腟内にトリコモナス原虫が棲息して居る事を報告し,一般にもこの事は承認されたが,この病源性については1916年Höhneが所謂Trichomonas vaginitis puruleutaなる腟炎として指摘されたのに始まる。それ以来国外,国内を問わず種々な研究,報告が続々と発表された。又その治療も千差万別で各腫の治療法が行われる様になつた。これを逆に見ると非常に治癒しにくい事を意味して居り,又屡々再発,再感染があり,今日迄決定的な治療は未だ発表されて居らない様である。特に近年は抗生物質製剤の進歩に伴い,一応の効果は期待出来る様にはなつたが,又虫体の抵抗力を増加させる事ともなつた。さらに現在では腟に棲息するトリコモナスのみを対象とした治療では膀胱,前立腺,尿道,子宮頚管部等に存するトリコモナスを絶滅する事は出来ず,再発を防ぐ為にも,単に局所療法のみでは無く全身療法が望まれて居た。その為われわれは全身療法剤としてアミニトロゾール(トリオン錠,中外製薬)を33年10月より12月迄使用し次の成績を得たので報告する。トリオンは次の如き構造式を有する。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1294

印刷版ISSN:0386-9865

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