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文献詳細

雑誌文献

臨床婦人科産科13巻7号

1959年07月発行

手術・手技・麻酔

Western Reserve Portable麻酔器によるCyclopropane吸入麻酔の産婦人科領域への応用

著者: 名取光博1 柳田昌彦1 吉川千寿郎1 大川昭二1

所属機関: 1東京都立築地産院

ページ範囲:P.603 - P.609

文献概要

Ⅰ.緒言
 Freundにより合成されたCyclopropaneが,Lucas & Henderson1)により麻酔剤として使用され,Waters教授2)らの研究以来20数年を経た今日においても,笑気やエーテルなどと並んで,依然主要吸入麻酔剤としての優秀性が認められている。このCyclopropaneのすぐれた点はPo—tencyが極めて強いので,酸素を充分に投与することができることである。従つて麻酸への導入や,殊に小児麻酔,出血性ショック時の麻酔などには,極めて有効,且つ安全な麻酔剤であり,従つて分娩や帝切の産科麻酔に賞用される理由である。しかし本剤は一面において呼吸抑制,或いは循環器系に影響するので,習熟した麻酔手技を必要とし,またエーテルと同じく爆発性を有するから,使用上ある程度の制約を受ける。この爆発による危険性を除外するためHeliumを混じ,或いはconductive floorにすることなどが必要となる。このような欠点を補うためHingson3)4)5)(1954)はHeliumとCyclopropane,および酸素を一定の割合に混じて小型のシリンダーにパッキングし,これを自ら考案したTo and Fro型式の麻酔器に用いて,小児麻酔への導入,外科小手術時の麻酔などに応用し,極めて好成績を得ている。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1294

印刷版ISSN:0386-9865

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