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文献詳細

雑誌文献

臨床婦人科産科13巻7号

1959年07月発行

文献概要

同人放談

明日への期待

著者: 赤須文男1

所属機関: 1金沢大学

ページ範囲:P.641 - P.641

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 先日学会で上京し,数冊の洋書を求めて来たが,外人の著書をよむ度毎に,矢張り外国人は頭が良いと感心させられる。1つの実験データを基盤にして連想を働かせ,推理を動かして1つの仮説めいたものをつくる。それがやがて実験的に証明されていく。とにかく,追試でなくて新生が多いのは否めない。
 先日,ある会で,研究を欧文で発表しなくてはいけないと誰かが言ったら,小林教授は「そんなことはないですよ,Originalityの問題ですよ,よいオリジナルなものなら,先方が欧文に飜訳しますよ」と語つた。私が云いたいと思つていたこと,何処かへ書いたことがあるような気のすることを氏は云ったが,まことにその通りである。自然科学に於ける独創的なものは,単なる思いつきや,推察では出来ないもので,長年に亘る経験,概博な知識,自然現象に対する洞察といつたものから産れるものであつて——勿論例外もあるが——これが芸術的なものとの大きな異いではないかと思う。ストレプトマイシンの発見,ペーパークロマトグラフィーの案出など,結果からみれば何でもないことであるけれどもこのOriginalな活性はまことに高く評価されてもよいと思う。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1294

印刷版ISSN:0386-9865

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