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文献詳細

雑誌文献

臨床婦人科産科13巻8号

1959年08月発行

文献概要

薬剤の臨床

尿路感染症に対するSulfamethizole (Urocydal)の効果

著者: 山本文男1

所属機関: 1山口赤十字病院産婦人科

ページ範囲:P.696 - P.698

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Ⅰ.緒言
 既に1908年Gelmoによつて染色剤として,次で1935年Domagkにより化学療法剤として広く利用されて来たスルフォンアミド剤も,近年抗生物質の華々しい発展によつて著しく生彩を欠いて来た。殊に従来独占的な適応症と見做されて来た尿路感染症に於てその感が深い。併し,従来のスルフォンァミド剤には種々の欠点が見られ,人体に殆んど毒性を有しないとされ且つ効力の高い抗生物質が前者を駆逐したのも当然である。即ち治療効果を高めるためには,血中有効濃度の維持が必要とされ,勢い大量の頻回投与形式がとられ,このためスルフォンアミド剤は尿路に沈澱し易く,細尿管を閉鎖する傾向を有し,悪心,嘔吐,薬疹,顆粒白血球減少症,血尿,無尿,結石形成から精神障害に至る種々の副作用が見られた。即ち治療効果も中毒作用も血中濃度と密接に関係していたのである。尚,アセチル化率や,吸収並びに排泄の速度,及び尿中への回収率が重大な因子をなしている事は勿論である。
 最近,之等の欠点を除き,尿路感染症に専用されると云うスルフォンアミド剤,ウロサイダルの出現を見,われわれも臨床実験の結果,2〜3の知見を得たので報告する。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1294

印刷版ISSN:0386-9865

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