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文献詳細

雑誌文献

臨床婦人科産科13巻8号

1959年08月発行

薬剤の臨床

不妊症治療に於ける17α-ethinyl 19-nor testosteroneの使用経験

著者: 飯塚理八1 沢田喜彰1 宮本光男1 吉田豊1 大久保文雄1 遠藤徹1

所属機関: 1慶応義塾大学医学部産婦人科教室家族計画相談所

ページ範囲:P.699 - P.706

文献概要

Ⅰ.緒論
 妊娠の成立,すなわち受精した卵の着床が成立するためには,受精卵の適当な分化とともに,排卵後,下垂体からのluteotropic hormone (以下LTH)によつて成熟した黄体から充分なProgestinとestrinとが分泌され,これに反応して子宮内膜が完全な分像を呈している必要がある。従つて,これらのネルモン分泌が不足したり,子宮内膜の反応が不完全である場合には,当然着床が障害されて不妊となり,又たとえ着床しても極めて初期に流産(infertility resultingfrom early abortion)を起す可能性がある訳で,最近こうした原因による受精卵の着床障害が所謂機能性不妊の要因として注目されている。こうした不妊症例では,月経前に採取された子宮内膜に発育異常を示すものが多く,基礎体温曲線(以下BBT)でも高温相の低下,短縮,不定が見られる他,頚管粘液や腟脂膏にも特徴的な所見が認められ,これに対する治療としては,受胎前後に於ける,LTH, Progesterone又はProgester-oneとEstrogenとの併用療法が有効とされている。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1294

印刷版ISSN:0386-9865

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