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文献詳細

雑誌文献

臨床婦人科産科13巻8号

1959年08月発行

手術・手技・麻酔

強化麻酔下に於ける血糖値の変動について

著者: 山本文男1

所属機関: 1山口赤十字病院産婦人科

ページ範囲:P.707 - P.709

文献概要

Ⅰ.はしがき
 従来手術後に屡々高血糖並びに糖尿を認める事が知られていたがその原因は不明でidiopathicpostoperative hyperglycemiaと呼ばれて来た。然るにSelyeが侵襲に対する下垂体—副腎皮質系の反応,即ち副腎皮質ホルモンの過剰分泌を唱へて以来,この現象がAdrenalinによる肝糖原のGlycogenolysisによる事が解明された。以来生体に於ける血糖値の変動は,好酸球数のそれと共に,下垂体—副腎系より見た生体反応を物語る一つの場と見られるようになった。然るに近年,之等下垂体内分泌系殊に副腎系を軸として展開するSelyeのいわゆる非特異的症候群に対立して,自律神経系を介して起る非特異的症候群(いわゆるRelly現象)も又生体反応具現の場として体系づけられて来た。且つ,初期の間は,生体に対するStressの侵襲点に関して両体系の問に論争も見られたが,自律神経,内分泌系の何れをとつても,その機能に於て単独な姿を想像する事が出来ない両者の密接な関係から,現在の関心は両者を統一して,円満な像に於て生体反応を極めようとする方向に向つている。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1294

印刷版ISSN:0386-9865

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