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文献詳細

雑誌文献

臨床婦人科産科13巻8号

1959年08月発行

症例報告

3腔心の1例

著者: 一宮勝也1 平野俊雄1 尾崎純弘1 山下義彦2

所属機関: 1東京医科歯科大学医学部産婦人科教室 2東京医科歯科大学医学部病理学教室

ページ範囲:P.714 - P.718

文献概要

Ⅰ.まえがき
 新生児の内臓の先天性奇形は発見ならびに診断が困難なものであるが,中でも先天性心奇形で死亡するものには重篤なものが多いにもかかわらず,症状が単調かつ一様であるため生前に診断のつきにくいことが多い。著者らはこのたび,流産と出生直後強度の黄疸で新生児死亡をくり返しているため,生児を熱望する夫婦の第5回目の分娩に遭遇した。児は出生後一般状態悪化し,重症黄疸の予防ならびに治療そのほか万全の治療の努力の効もなく死亡したが,剖検によりはじめて重篤な心奇形の存在を認めた。児にはほかにも外表奇形が存在し,父母を追及したところ,近親結婚で家系に奇形を有し,前に死亡した児にも奇形の存在したことが判明した。著者らはこの興味ある家系を珍らしいものと考え,さらに重篤な先天性心奇形の生前の症状を観察し得たので,剖検所見とともにここに報告する。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1294

印刷版ISSN:0386-9865

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