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臨床研究
内分泌疾患(ⅩⅥ)低エストロゲン性無月経について(Ⅲ)
著者: 唐沢陽介1 武沢鎮磨1 高山忠夫1 星合久司1 豊島克1
所属機関: 1東京大学医学部産科婦人科学教室
ページ範囲:P.757 - P.761
文献購入ページに移動無月経と云う病的状態を卵巣を中心として見た場合,即ちEstrogen排泄量の多寡を示標として取扱つた場合,いくつかに分類して考えることが出来る。そのうち該ホルモンの尿中排泄量が,正常変動範囲の下界より低いいわゆる「低エストロゲン性」の無月経に関し,著者等は我々の研究室において得られた成績の一部を発表した。(本誌第13巻第3〜4号参照)これ等の報告にも述べた如く,Estrogenの量のみをもつて該患者の卵巣機能に対して結論を下すことはさしひかえるべきであろうが,しかしEstrogen排泄量が正常変動範囲の下界より逸脱して低い価を示す場合,他の内分泌臓器がどのような態度を取るかと云う点に関して興味ある実験結果が得られたと考えている。
今回は卵巣機能と他の内分泌腺機能と云ういわば同等の立場にある器官間の横の関係ではなく,これ等臓器に対して支配的な地位を有している下垂体前葉が,「低エストロゲン性」の無月経患者において如何なる態度を示すかを検討することにする。
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