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文献詳細

雑誌文献

臨床婦人科産科14巻1号

1960年01月発行

文献概要

特集 産婦人科診療の今昔 産科学

狭骨盤の臨牀

著者: 橋爪一男1

所属機関: 1日本大学

ページ範囲:P.144 - P.146

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Ⅰ.狭骨盤の臨床的意義
 今昔物語と言う見方であるが,僅か40〜50年の間に日本人の体格がそう変る訳もないから,狭骨盤の定義並びにその存在に就いては変化は無い訳である。変つて来たのは狭骨盤に対する解釈特にその取扱い方に対する見解であろう。
 先ず狭骨盤の定義を検討して見よう。小骨盤入口に於ける径線の一つ又は以上が,平均値より短かく,従つて多くの場合にはその形状も変化し,普通の大さの胎児を娩出せしめるに当り,器械的障害を与えるものを狭骨盤と言うとされている。此の定義を表現する言葉には色々あると思うが,精神は大体こんな所であろう。骨盤は分娩通過管の一部であるから,此の骨盤入口丈を規定するのは多少異議があるが,入口が狭ければ内部,出口も小さいと割り切れば大体納得する。而も広く見渡して見ると,狭骨盤と言つても殆んどが厚みの足りない扁平性の骨盤で,之が臨牀上の問題を起している。真結合線の平均値11cmとすれば9cm以下のものが日常問題となり易い。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1294

印刷版ISSN:0386-9865

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