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臨床研究
帝切後の経腟分娩について
著者: 山下徹1 杉山英夫1 栗田秀秋1
所属機関: 1東北大学医学部産婦人科教室
ページ範囲:P.881 - P.884
文献購入ページに移動腹式帝王切開術による分娩頻度が近年上昇しつつあることは世界的傾向であつて,Rütte1)(1947)は1924年から1946年の間に1.71%から3.48%に増加したと報告し,Posner et al.2)(1954)は1932年〜1942年の2.4%が1943年〜1951年には3.5%に上昇したといつている。本邦でも戦前の諸報告が0.5〜1.56%の頻度であつたものが,最近では杉山,他3)(1959)2.4%,三谷,他4)(1960)2.53%等の報告に見られる如く戦前の約2〜3倍となつている.この様な傾向は次回の分娩時に起り得る帝切瘢痕の破裂に対する危惧から当然反復帝切の頻度の増大をもたらす結果となつている。特に帝切の頻度の高い欧米の最近の報告では反復帝切の全帝切例中に占める割合は,Powell et al.5)(1958)43.6%,Lawler et al.6)(1957)66%と甚だ高く,Schaefer et al.7)(1953)は1937年〜1941年では18%であつたものが1941年〜1946年には31.5%,1947年〜1951年には40.6%と急激に増加したと述べている。
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