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文献詳細

雑誌文献

臨床婦人科産科14巻10号

1960年10月発行

薬剤の臨床

17α—ethinyl−5(10) estraen−17β—ol−3oneの使用成績について

著者: 根本孝1

所属機関: 1東京大学医学部産科婦人科学教室

ページ範囲:P.909 - P.919

文献概要

Ⅰ.緒言
 近年ステロイド合成化学の進歩は著るしく,すぐれたホルモン剤が相次いで合成され,臨床方面にも広く利用されている。これまでestrogenicの作用をもつ化学物質は多数発見され臨床上ひろく使用されているに反して,Progestationalの作用をもつ物質は少く,臨床的には主にProgeste—rone (以下,P.と略す)が使用されて来た。P.は静注すると20分前後,遅くとも1時間以内には血中から証明されなくなり,20mgを筋注してもHooker-Forbes法で24時間前後血中に証明されるのみで,尿中Pregnanediol (以下Preg.と略す)も48時間以内に消失すると報告されている。このため臨床的に一定期間有効濃度を維持するためには5〜20mgのP.を毎日筋注するか,P.のペレットを筋膜内に埋没使用する方法が用いられた。
 一方P.は経口投与しても良く吸収されることはその尿中Preg.排泄の増量からも明らかであるが,経口投与すると肝で不活化作用をうけるためその作用が著るしく減弱することは周知の通りである。このため口腔粘膜(buccal),腟粘膜から吸収させる方法が考えられたがこれも臨床上殆んと用いられていない。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1294

印刷版ISSN:0386-9865

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