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症例報告
卵管溜水腫茎捻転の1例
著者: 今野高信1 千葉俊博1
所属機関: 1白石市公立刈田綜合病院産婦人科
ページ範囲:P.948 - P.950
文献購入ページに移動Ⅰ.はじめに
卵管溜水腫茎捻転は1891年Bland-Suttonにより始めて報告されてより,欧米においては既に100余例の報告があるが,本邦においては,妊娠或いは子宮筋腫と合併した例をも含めて現在までに約30例近くの発表があるに過ぎない。この様に本症は未だ臨床的に稀有なる域を脱せず,又臨床症状も他の2,3疾患と類似し,術前における診断は極めて困難で,卵巣嚢腫茎捻転又は急性虫垂炎と誤診された例もあることは甚だ興味深い。最近吾々は疼痛の性質が右輸尿管結石を疑わしめたが,種々臨床検査により一応これを否定し,右附属器捻転の疑いの下に開腹し,その結果卵管溜水腫茎捻転なることを確認した1症例を経験したので茲に報告する。
卵管溜水腫茎捻転は1891年Bland-Suttonにより始めて報告されてより,欧米においては既に100余例の報告があるが,本邦においては,妊娠或いは子宮筋腫と合併した例をも含めて現在までに約30例近くの発表があるに過ぎない。この様に本症は未だ臨床的に稀有なる域を脱せず,又臨床症状も他の2,3疾患と類似し,術前における診断は極めて困難で,卵巣嚢腫茎捻転又は急性虫垂炎と誤診された例もあることは甚だ興味深い。最近吾々は疼痛の性質が右輸尿管結石を疑わしめたが,種々臨床検査により一応これを否定し,右附属器捻転の疑いの下に開腹し,その結果卵管溜水腫茎捻転なることを確認した1症例を経験したので茲に報告する。
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