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文献詳細

雑誌文献

臨床婦人科産科14巻11号

1960年11月発行

薬剤の臨床

「コンドロイチン」硫酸液による術後癒着防止に関する研究(第2報)

著者: 荒川博司1

所属機関: 1名古屋市立大学医学部産婦人科教室

ページ範囲:P.1007 - P.1010

文献概要

Ⅰ.緒言
 術後に於ける腹腔内癒着の問題は手術上極めて重要なる意義を有するものであり腹腔内手術後の癒着は一面炎症の拡大を阻止し得る利点を有するも,反面不快な種々偶発症を惹起せしむるものである。飜つてわが産婦人科領域に於いては,一般腹腔内外科に於ける偶発症の他,卵管の狭窄,閉鎖乃至は周囲臓器との癒着を招来せしめ,屡々不妊の原因となることすらある。従つて産婦人科手術に於ける術後腹腔内癒着の問題は一般腹腔内外科に於けるより深刻な問題であり,これが発生予防の為に新しい種々の薬剤が応用される所以もここにある。私はこの点に着目し,先に「コンドロイチン」硫酸液(以下「コ」硫酸液と略記す)による癒着防止の臨床及び一部の実験的研究の成果について報告し,「コ」硫酸の卓越せる癒着防止効果を確認した。今回はこれら癒着防止の機序を解明すべく,基礎的実験を行い若干の新知見を得たので報告する。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1294

印刷版ISSN:0386-9865

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