文献詳細
症例報告
文献概要
Ⅰ.緒言
蜘蛛膜下出血については近年主として内科方面よりの発表がみられるが,産科領域における報告は極めて少数であり,昭和4年内科集談会で追加報告した長沢氏についで,昭和11年藤田氏が初めて誌上に発表した。その後次第に本症が注目され現在までに別表のごとき報告例があるが,そのほとんどが妊娠後半期または分娩時,産褥中に合併したものであつて,妊娠前期の発病は小六氏による1例のみであり甚だまれである。一方,欧米では1936,Stroink2)(1例),1938,Moskowitz & Schneider3)(3例),1938,Pancot & Galle (1例),1946,Dahle4)(3例),1948,Garber & Maier5)(5例),1950,Gerschenfeld & Savel6)(1例),1951,Schwartz7)(3例),1952,Tro—della8)(1例),1953,Walton9)(2例)等の報告がみられるが,その数は決しておおくない。
私は妊娠初期に発生した本症の1例に遭遇したのでここに発表し,あわせて妊娠に合併した本邦症例を調査して文献的考察を加えてみた。
蜘蛛膜下出血については近年主として内科方面よりの発表がみられるが,産科領域における報告は極めて少数であり,昭和4年内科集談会で追加報告した長沢氏についで,昭和11年藤田氏が初めて誌上に発表した。その後次第に本症が注目され現在までに別表のごとき報告例があるが,そのほとんどが妊娠後半期または分娩時,産褥中に合併したものであつて,妊娠前期の発病は小六氏による1例のみであり甚だまれである。一方,欧米では1936,Stroink2)(1例),1938,Moskowitz & Schneider3)(3例),1938,Pancot & Galle (1例),1946,Dahle4)(3例),1948,Garber & Maier5)(5例),1950,Gerschenfeld & Savel6)(1例),1951,Schwartz7)(3例),1952,Tro—della8)(1例),1953,Walton9)(2例)等の報告がみられるが,その数は決しておおくない。
私は妊娠初期に発生した本症の1例に遭遇したのでここに発表し,あわせて妊娠に合併した本邦症例を調査して文献的考察を加えてみた。
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