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文献詳細

雑誌文献

臨床婦人科産科14巻12号

1960年12月発行

症例報告

妊娠に合併せる子宮頸癌について

著者: 石原実1 山尾登美子1

所属機関: 1名古屋大学医学部産科婦人科学教室

ページ範囲:P.1111 - P.1116

文献概要

Ⅰ.緒言
 妊娠と子宮頚癌との合併は妊娠可能期と子宮頚癌の好発年齢とのずれから少ないものであるが,尚比較的遭遇するものである。一般に妊娠に合併した頚癌は手術可能のものが多いとされているが,その理由として妊婦であることから出血に対して特に敏感で,早期に医師を訪れるものが多く,又癌の進行初期のものでなければ妊娠する可能性が少いこと等があげられる。しかし永久治癒率からみれば妊娠頚癌は非妊頚癌に比し必ずしも良好とは言えない。即ち妊娠の癌進行への影響に対しては促進説,抑制説,中間説の3説があり定説をみていないが,早期発見,早期手術の鉄則は妊娠時も非妊時も変りない。
 最近ホルモンと腫瘍の関係が論じられ,妊娠と頚癌との合併は興味深い問題であるけれどもこの分野に関しては今後の研究にまたなければならない。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1294

印刷版ISSN:0386-9865

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