シンポジウム
日本産科婦人科学会東京地方部会第88回例会—習慣性流早産に対する外科的療法
著者:
斉藤幹1
飯塚理八2
官川統3
小林隆4
所属機関:
1東京医科歯科大学
2慶応大学医学部
3東京大学医学部
4東京大学
ページ範囲:P.1117 - P.1134
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司会 只今から"習慣性流早産に対する外科的療法"に関してシンポジウムを開催いたしたいと存じます。果してこういう題名が適切であるかどうかわかりませんが,もう少し具体的に云うと最近関心をひいている頚管無力症に対する外科的治療法の意味であります。頚管無力症によると考えられる流早産の問題は臨床的に重要で日常かなりよく遭遇しますが,それの治療をいかにすべきか,どんな方法がよいか,その成功率はどの程度であり,適応の診断は如何に行うか等々われわれ臨床家にとつて,大変重要でもあり興味のある問題だと思うのです。先般東京地方部会でやるシンポジウムの題目としてどんなものがよいかというアンケートが求められましたが,本問題に対する希望はかなり高いように見受けられました。本症の治療法に関しては,御承知のように未だ結論が得られておりませんし,外科的な療法の導入は内外共に日なお浅いことでもありますので,充分検討する余地のある問題だと思います。
従いまして本日だけでこの問題の結論が出るとは考えられませんが,講師の方々はじめ皆様に充分討議して頂くことが出来れば今までよりもかなりはつきりしたものになり,また将来検討さるべき問題や方法が示唆されるという意義も生ずると思うのであります。一つの方向なり傾向が見出せるだけでもプラスになるわけです。