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文献詳細

雑誌文献

臨床婦人科産科14巻2号

1960年02月発行

文献概要

薬剤の臨床

分娩誘発剤デリバリン錠の使用経験

著者: 鈴木雅洲1 須郷杲1 赤田義巳1

所属機関: 1東北大学医学部産婦人科教室

ページ範囲:P.183 - P.187

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Ⅰ.緒 言
 産科領域に於いて,妊娠が甚だしく分娩予定日を超過して持続した場合,陣痛微弱,前期或いは早期破気,妊娠中毒症,胎児頭骨盤不均衡,巨大児,狭骨盤並びに妊娠中期以降の人工妊娠中絶等の際に,分娩誘発及び促進が必要になる事がある。この分娩誘発及び促進の方法には種々の方法が行われている。例えばブジー挿入,キニーネ内服・ヒマシ油内服,浣腸,コルポイリーゼ,メトロイリーゼ,脳下垂体後葉剤点滴静注法又は分割注射法,硫酸スパルテイン投与,卵膜剥離法,撰択的破水法,等の単独或いは併用法がある。しかし,これ等はそれぞれ使用の制限,副作用の問題があり,症例によつて使い分けられるべきものである。
 キニーネの少量は子宮筋に直接作用し,その収縮を誘発する。又,他の陣痛促進剤に対しその感受性を増強させ分娩中の各期を通じて作用し,収縮力増強,持続を延長,間歇を短縮させる。特に開口期に良く作用し,妊娠1〜2ヵ月を除きある程度の収縮を誘発する作用がある。しかし,本来原形質毒であるため大量使用で胎児仮死の原因となり,又第Ⅲ期出血を増加させる事もある。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1294

印刷版ISSN:0386-9865

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