icon fsr

文献詳細

雑誌文献

臨床婦人科産科14巻3号

1960年03月発行

実験的研究

bc系mouseのX-zone消長に関する知見

著者: 小宮清一郎1 安藤政子1 鈴木康男1

所属機関: 1持田製薬株式会社研究所

ページ範囲:P.293 - P.297

文献概要

Ⅰ.緒 言
 従来副腎皮質網状層は他の2層と異り無機能な層であると考えられていたが,その分泌機能を暗示する様な報告も見られる。即ち増井,田村1)はmouse網状層にfucksin可染物を認め該層の分泌機能を暗示し,Zinsser2)はこれ等をketoste—roidとprotein又はlipidの複合体であろうと,Selye3)はeosin, fucksin可染物質はhormoneの蓄積であろう,西田4)はandrogenの分泌と網状層は関係があるらしいと報じている。
 Mouse網状層の消長は他の哺乳類と異り,特異的であり,Haward-MillarはこれをX-zoneと呼称した。その消長に関しては増井,田村1),Haward,Millar5),Deanesly6),7)及びWhite—head8)等多くの報告があるが何れも約10日齢にて雌雄共に髄質(medulla)を囲んで狭いX-zoneを識別し,約30日齢までは雌雄何れも発達しつづける。雄は30日齢以後退消過程をとり,38〜40日齢にてmedullaを囲んで薄い層(capsule)を形成する。雌は雄と異り更に発達を続け,妊娠分娩を行わなければ3ヵ月頃までは顕著であり,その厚さは皮質全体の2/3を越えることがある。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1294

印刷版ISSN:0386-9865

雑誌購入ページに移動
icon up

本サービスは医療関係者に向けた情報提供を目的としております。
一般の方に対する情報提供を目的としたものではない事をご了承ください。
また,本サービスのご利用にあたっては,利用規約およびプライバシーポリシーへの同意が必要です。

※本サービスを使わずにご契約中の電子商品をご利用したい場合はこちら