文献詳細
実験的研究
文献概要
Ⅰ.緒 言
従来副腎皮質網状層は他の2層と異り無機能な層であると考えられていたが,その分泌機能を暗示する様な報告も見られる。即ち増井,田村1)はmouse網状層にfucksin可染物を認め該層の分泌機能を暗示し,Zinsser2)はこれ等をketoste—roidとprotein又はlipidの複合体であろうと,Selye3)はeosin, fucksin可染物質はhormoneの蓄積であろう,西田4)はandrogenの分泌と網状層は関係があるらしいと報じている。
Mouse網状層の消長は他の哺乳類と異り,特異的であり,Haward-MillarはこれをX-zoneと呼称した。その消長に関しては増井,田村1),Haward,Millar5),Deanesly6),7)及びWhite—head8)等多くの報告があるが何れも約10日齢にて雌雄共に髄質(medulla)を囲んで狭いX-zoneを識別し,約30日齢までは雌雄何れも発達しつづける。雄は30日齢以後退消過程をとり,38〜40日齢にてmedullaを囲んで薄い層(capsule)を形成する。雌は雄と異り更に発達を続け,妊娠分娩を行わなければ3ヵ月頃までは顕著であり,その厚さは皮質全体の2/3を越えることがある。
従来副腎皮質網状層は他の2層と異り無機能な層であると考えられていたが,その分泌機能を暗示する様な報告も見られる。即ち増井,田村1)はmouse網状層にfucksin可染物を認め該層の分泌機能を暗示し,Zinsser2)はこれ等をketoste—roidとprotein又はlipidの複合体であろうと,Selye3)はeosin, fucksin可染物質はhormoneの蓄積であろう,西田4)はandrogenの分泌と網状層は関係があるらしいと報じている。
Mouse網状層の消長は他の哺乳類と異り,特異的であり,Haward-MillarはこれをX-zoneと呼称した。その消長に関しては増井,田村1),Haward,Millar5),Deanesly6),7)及びWhite—head8)等多くの報告があるが何れも約10日齢にて雌雄共に髄質(medulla)を囲んで狭いX-zoneを識別し,約30日齢までは雌雄何れも発達しつづける。雄は30日齢以後退消過程をとり,38〜40日齢にてmedullaを囲んで薄い層(capsule)を形成する。雌は雄と異り更に発達を続け,妊娠分娩を行わなければ3ヵ月頃までは顕著であり,その厚さは皮質全体の2/3を越えることがある。
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