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文献詳細

雑誌文献

臨床婦人科産科14巻4号

1960年04月発行

綜説

アメリカに於ける産科麻酔の近況について

著者: 池園悦太郎1

所属機関: 1東京医科歯科大学医学部第一外科教室

ページ範囲:P.333 - P.335

文献概要

 アメリカに於いても,Read氏法による無痛分娩が,極く一部の人によつて行われてはいるが,大部分の分娩は,近代的麻酔の援助のもとに行われている。理想的な産科麻酔剤としては,陣痛を軽減もしくは除去すること,胎児の呼吸もしくは循環系を抑圧しないこと,子宮の収縮を弱めて分娩を長びかせないこと,母親及び胎児にとつて安全であること,を目的としなければならない。残念なことには,現在理想的麻酔剤はないので,出来るだけこれに近いものを単独に,或いは併用して,産科麻酔を行つている。
 産科麻酔中もつとも注意すべきことを列記すれば,
 1. Aspiration:産婦は屡々入院前に食事をして来ることが多いし,陣痛がはじまると,胃内容物の排出が遅くなり,その上浅い麻酔は嘔吐を起し易いので,麻酔開始前少くとも6時間は,飲食させないことが大切である。もし疑わしい場合は,出来るだけ大きい胃管を入れて,胃内容物の排出を麻酔前に行つている。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1294

印刷版ISSN:0386-9865

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