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文献詳細

雑誌文献

臨床婦人科産科14巻4号

1960年04月発行

文献概要

症例報告

頸管妊娠の手術前確診例

著者: 大貫勇二郎1

所属機関: 1東京都立大久保病院産婦人科

ページ範囲:P.425 - P.430

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 頚管妊娠は本邦では昭和28年九島氏1)の報告以来近年に至つて瘻々報告され,約20例を見る。がその手術前診断は極めて難しく,従来の報告例でも,絨毛上皮腫の疑が最も多く8例で,他は妊娠3か月と卵巣嚢腫,双角子宮妊娠,頚管の悪性腫瘍,子宮筋腫,奇胎(2例),胎盤ポリープ(2例),頚管流産,筋腫妊娠,胎盤残留,旁結合織内血腫等と診断されている。僅に九島氏2)が最近前回の経験に基づいて内診所見で診断し得た(第2例)のに止まる。
 一方外国でも本症は極めて稀なためか診断も困難であり,例えばStuddiford3)の集計(1945)14例でも,7例は流産で,他は頚癌,卵管破裂,前置胎盤,頚管血腫,頚管の類線維腫,妊娠初期,筋腫で妨げられた分娩等である。外国では絨毛上皮腫が少いためか概ね先ず流産と考えられているらしい。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1294

印刷版ISSN:0386-9865

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