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文献詳細

雑誌文献

臨床婦人科産科14巻4号

1960年04月発行

文献概要

臨床統計

骨盤位分娩100例の検討

著者: 石北明1

所属機関: 1東京共済病院産婦人科

ページ範囲:P.431 - P.435

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 骨盤位,殊に初産婦骨盤位は頭位分娩に比して一般に分娩が遷延し(併しEdward Hall et al.によれば,骨盤位分娩の平均持続時間は初産婦で12.4時間,経産で6.5時間で,頭位分娩に比較すると短く,特に経産婦の場合短いというが),分娩経過中臍帯の圧迫,脱出により仮死又は真死に陥る頻度が高く,又母体が受ける産道の裂傷,産科手術及び種々の処置による細菌感染等の結果,母体の罹病率も頭位分娩に比して可成り高いので,初産婦骨盤位に帝王切開術を積極的に適用する考え方が多くなつて来た。これは抗生物質,麻酔管理,手術術式等の発達によつて該手術の安全性の高い事もあずかつて力がある。併し初産に於いて帝王切開術が行われた患者の次回分娩は患者も医師も相当の心配をし,再び手術的分娩の行われる頻度も高くなつて居る。これに反し経腟分娩を行つた場合は次回分娩が一般的には極めて容易である。従つて産科医としては初産婦骨盤位は出来る丈経腟分娩を行う様心掛けるべきであり,又その手技に熟達する様に日頃からの訓練が必要と思う。
 従来骨盤位については多数例の報告がみられるが,これ等は長年月に亘り技倆の異つた術者の成績を綜合集績した結果についての報告であり,同一術者による少数例の結果を検討する事も有意義と考えるので,自験100例について記述する事とした。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1294

印刷版ISSN:0386-9865

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