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文献詳細

雑誌文献

臨床婦人科産科14巻5号

1960年05月発行

文献概要

薬剤の臨床

子宮腟部糜爛に対する蛋白分解酵素ナガーゼの使用

著者: 赤堀和一郎1 中後勝1 柏村翠子1 柿沼祐一1

所属機関: 1神戸医科大学産婦人科

ページ範囲:P.495 - P.498

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Ⅰ.緒言
 子宮腟部糜爛は一見単純な疾患の様に思われるが,帯下の増加,性器出血等のために案外患者を悩ますもので,中には非常に頑固な経過をとる症例も多い。近時抗生物質のめざましい発達により本症は著しく減少したと言われているが,尚比較的屡々見られる疾患であり,しかもその発生原因が単一なものでないために,未だ決定的と言うべき治療法がなく,特にその原因の明らかでない症例に対してはその治療に困惑させられることがある。
 われわれは最近各方面で種々利用されている蛋白分解酵素を使用する事により,薬物を直接病巣に浸透せしめて糜爛面を化学的に掻爬し上皮形成を促進させ,治癒効果を増大し得ると考え,本院産婦人科外来に来院した子宮腟部糜爛患者に対し蛋白分解酵素製剤"ナガーゼ"を用いて子宮腟部糜爛を治療し,肉眼的並びに組織学的に著しい改善を認めたのでその成績を報告する。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1294

印刷版ISSN:0386-9865

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