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文献詳細

雑誌文献

臨床婦人科産科14巻5号

1960年05月発行

手術・手技・麻醉

婦人科手術に於けるラボナールAの使用経験

著者: 秋元正雄1 江口貞雄1 中井嘉文1 池沢紀郎1 星合久司1 泉陸一1

所属機関: 1東京大学医学部産婦人科学教室

ページ範囲:P.523 - P.524

文献概要

I.緒言
 ペントタールソーダーは1934年Lundyによつて始めて静脈麻酔剤としての優秀性が認められて以来,単独麻酔剤として或は導入,補助麻酔剤として着実な発展を示し,産婦人科領域に於ても,戦後人工妊娠中絶の激増に伴い,安全域が広く,麻酔効果も良好で且つ副作用が少い為に,子宮内容除去術に対する単独短時間麻酔剤として広く使用され,又其の他の婦人科手術には勿論,腹式帝王切開術,鉗子分娩,無痛分娩にも賞用されるに至つている。然し,副作用が少いとはいえ,呼吸抑制,呼吸麻痺,血圧降下,喉頭痙攣等が稀に起る事があり,特に呼吸抑制に関しては静注時の速度量或は個人差等によつても異るが,就眠量注入時,軽度ながら呼吸の抑制が必発するといつても過言ではない。当教室に於ては,此の副作用を未然に防止する為に本麻酔に際しては,呼吸促進剤の混注を行つている程である。
 今回ペントタールソーダーと同じ組成を有するラボナールに,強力な呼吸循環障害除去作用を持つビスウレア誘導体のアトムリンを組合せたラボナールAを提供され,婦人科手術に使用して優秀な成績を得たのでここに報告する。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1294

印刷版ISSN:0386-9865

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