icon fsr

文献詳細

雑誌文献

臨床婦人科産科14巻6号

1960年06月発行

グラフ

簡易な精液の凍結保存

著者: 飯塚理八1 吉田豊1

所属機関: 1慶応義塾大学医学部産婦人科教室

ページ範囲:P.547 - P.548

文献概要

 私共の処では,人工授精を終戦後不妊治療の一環として行つている。この場合,配偶者間人工授精もさることながら,非配偶者間人工授精には,Donorの精液を長期保存して必要に応じて使用すれば,便利である。いわば,血液銀行の如き精液銀行の出現である。精子の体外保存の課題は,久しいものであり,この面の研究も数多いが,従来の保存は数日間を出なかつた。保存に成功するためには,(1)精子の運動を抑制し,代謝をおさえ,精子自身のエネルギーの消費をふせぐ(2)精液に適当な保存液を入れ,精子に栄養を与え,また悪循環の発生を防ぐことが要訣であり,妊孕性の面から云えば保存前後の妊孕性が変らないことが望ましい。私共は,2日より〜20日間凍結保存した精液で,9例の妊娠成立をみている。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1294

印刷版ISSN:0386-9865

雑誌購入ページに移動
icon up

本サービスは医療関係者に向けた情報提供を目的としております。
一般の方に対する情報提供を目的としたものではない事をご了承ください。
また,本サービスのご利用にあたっては,利用規約およびプライバシーポリシーへの同意が必要です。

※本サービスを使わずにご契約中の電子商品をご利用したい場合はこちら