文献詳細
薬剤の臨床
分娩誘発,陣痛促進に対するDeliverinの効果について
著者: 竹下俊雄1 根岸達郎1 杉山輝彦1
所属機関: 1横浜医大産婦人科学教室
ページ範囲:P.567 - P.573
文献概要
凡そ分娩はこれが自然に発来するまで待期することを原則とするが,人工妊娠中絶の適応があるとか,分娩予定日の超過または,前期破水の場合は人工的にこれを誘発し,早期破水,微弱陣痛などの場合は陣痛促進を必要とする場合がしばしばある。このような場合の分娩誘発法および促進法としては,従来種々の方法が行われて来たが,しかし,これらの方法は母児に対する副作用の有無,操作の難易および,効果の確実性などの点で,夫々一長一短があつて,今日なおこれはと思われる方法は見当らない。たまたまその一法として,1945年S.L. PehrsonはErgometrin0.02mg,Chinin hydrochloricum 25mg,Papaverin 10mgを配合して1錠とし,これをPraepartanと名付け,分娩誘発,陣痛促進に用いて,83.5%の成功率をあげたと報告して以来,2〜3の追試が行われ,我が国でも,河野,安井らにより追試され,これと略々同様の成果をえたと報告されている。
余等もまたこの度,Praepartanと同様な処方のもとに作られたDeliverin (以下Dと略す)を持田製薬より提供をうけ,その臨床実験を行つたところ次の様な成績を得た。
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