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文献詳細

雑誌文献

臨床婦人科産科14巻6号

1960年06月発行

文献概要

薬剤の臨床

妊娠悪阻に対するアネルゲンアミノカロリン併用療法

著者: 菅原崇介1 武内茂1 久世崇世1

所属機関: 1東北大学医学部産婦人科教室

ページ範囲:P.575 - P.576

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Ⅰ.はしがき
 妊娠悪阻は今日妊娠中毒症の一つと見做されているが,其の真の原因は尚不明である。従つて其の療法も原因療法と迄は行かず,総べてが対症療法と云つた方が適切な様に思われる。一部の学者は妊娠毒が母体の血中に入り自家中毒を起す為に生ずると云う。然し同じ中毒を起す妊婦にも其の軽重あり,或る者は「つわり」で終始し,又或る者は重症悪阻の状態にまで悪化する。勿論毒物の強弱に依る現象とも説明され得るであろうが肝機能の障害程度等を検査しても同じ中毒症患者の中に全く障害されて居らぬ妊婦もある事等より考えれば,毒物の強弱のみに依る事とも云い得ない様である。此の点から考えれば毒物の強弱と云うよりは,寧ろ,これを受入れる母体側の反応の強弱が影響しているのではないかとも一応考えられる。其処で私が日頃使い慣れた,アミノン製薬で出して居るアミノカロリン(DLメチオニン400mg,塩化カルシウム100mg,タウリン100mgVB6150mg)に加えて住友化学のアネルゲン注射液を併用して見る事にした。Anergenアネルゲンは,抗ヒスタミン剤であつてフランスの3015R.P.と同一組成を有して居る。三沢教授の言に依れば我が国30数種の抗ヒスタミン剤とエフエドリン系製剤中最優秀品の一つであると云われる。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1294

印刷版ISSN:0386-9865

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