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症例報告
子宮頸癌の放射線療法により発生した大腿骨頸部骨折の3例
著者: 小泉博1 中西敬1 豊島克1 田村晃1 町田純一1
所属機関: 1東京大学医学部産科婦人科学教室
ページ範囲:P.597 - P.601
文献購入ページに移動子宮癌・前立腺癌・直腸癌などの放射線療法による大腿骨頚部骨折は,Baensch (1927)以来約200例の報告があるが,本邦においては赤林等(昭34)が直腸癌手術後のX線照射により発生した両側大腿骨頚部骨折の1例を報告したのみである。本症は前駆症状として骨折証明前の数週間股関節部の重圧感・不快な下肢鈍痛などがみられるため,しばしば坐骨神経痛・リウマチスとして治療され,或いは癌再発・骨転移などと誤診されて更に大量のレントゲン照射を受け完全な骨頭壊死に陥るおそれなしとしない。近年平均寿命が延長して高齢者が多くなり,他方レントゲン深部量の増加により本症の発生頻度は高まるものと考えられるが,早期診断こそ本症の治療上最も大切である。著者らは最近子宮頚癌X線照射療法による本症の3例を経験したので報告する。
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