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文献詳細

雑誌文献

臨床婦人科産科14巻6号

1960年06月発行

文献概要

症例報告

妊娠と子宮筋腫の合併例

著者: 石北明1

所属機関: 1東京共済病院産婦人科

ページ範囲:P.603 - P.607

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 凡ての子宮腫瘍中筋腫は最も頻度の高い腫瘍で,殊に35歳以上の婦人では20%に近い。従つて筋腫子宮に妊娠する事は必ずしも稀でないが,この際の治療方針については多くの議論があり,近時迄は筋腫が妊娠,分娩,産褥にもたらす危険を過大視して発見次第直ちに積極的に治療を施すを可として居た。然し最近に於ける多くの経験から本合併症に考えられた各種の危険はむしろ杞憂に属する事が知られて以来その治療方針は一変して消極的となり,待期的乃至保存的態度を以つて臨むを妥当とするの大勢にある。然し妊娠と筋腫の合併した際正常の妊娠分娩と異る障碍を起す事もあり,妊娠中に手術的処置を行わねばならない場合も起つて来る。
 最近経験した本症の2例を略述して,妊娠と筋腫の合併について記述してみたいと思う。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1294

印刷版ISSN:0386-9865

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