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文献詳細

雑誌文献

臨床婦人科産科14巻6号

1960年06月発行

症例報告

子宮内反症の1例

著者: 山田裕巳1

所属機関: 1東邦大学医学部産婦人科学教室

ページ範囲:P.622 - P.623

文献概要

Ⅰ.緒語
 子宮内反症とは子宮底が陥没乃至下垂反転し子宮粘膜面が腟乃至腟口外に露出する状態を云い,その程度により,子宮圧痕,不全子宮内反症,全子宮内反症,子宮内反脱出症等に区別されている。次に原因としては一般論として,最も重要なものは圧迫と牽引とである。即ちクレーデ氏圧出法,其他胎盤の子宮後壁附着,子宮下部附着,子宮筋の変化,疲労による微弱陣痛,発育不全体質,用手胎盤剥離,腹圧,卵膜胎盤ポリープ牽引等の諸要因が挙げられている。いずれにしても,子宮内反症は実際上遭遇することは極めて稀有なものであり,その予後も不良で,早急に処置しても死の帰転を取る事がある。私は最近初産婦に本疾患の1例を経験し,種々有意義な体験を得たので,大要を報告する。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1294

印刷版ISSN:0386-9865

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