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薬剤の臨床
放射線宿酔に対するTranquilizer療法—Perphenazine (Trilafon)について
著者: 吉崎宏1 奥田宜弘1 原豊1
所属機関: 1東北大学医学部産婦人科教室
ページ範囲:P.740 - P.743
文献購入ページに移動産婦人科領域に於いて,子宮癌及び悪性腫瘍の術後或いは進行した種々の悪性腫瘍に対する放射線療法時にわれわれが暫々経験するところの放射線宿酔の成因に関して未だ充分解明されていない。放射線宿酔の本態及び発生機転に関しては組織蛋白分解産物説,Nekrohormon説,Histamin説,Histotoxin説等枚挙にいとまない位あり,未だ定説はない。一方放射線宿酔の原因を自律神経系の失調によるとするものにPannewitz1),Zup—pinger2),Franz3),中野4)等が居るが,Glocker5)は宿酔症状の発生に心理的因子の影響を強調している。
近年Laborit6)らにより,Chlorpromazineが自律神経遮断作用を含めて,中枢抑制作用を利用して生体の諸機能を薬物的に低下させ,外界からの侵襲に対し反応し難い状態におくいおゆる冬眠麻酔剤として脚光を浴びて以来各分野に於いてこれらに関する多くの研究がなされて来た。
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