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文献詳細

雑誌文献

臨床婦人科産科15巻1号

1961年01月発行

実験的研究

Lithospermumの主成分フマール酸の卵巣に対する作用について

著者: 石井次男1 福沢芳章1 三浦良治1

所属機関: 1信州大学医学部産婦人科学教室

ページ範囲:P.21 - P.26

文献概要

Ⅰ.緒言
 ムラサキ科の植物Lithospermumは,その根または地上部の浸剤を動物に投与すると可逆的な性周期抑制作用がみとめられ,それとともに卵巣・子宮の萎縮および睾丸・前立腺・精嚢の縮小をきたすことが知られている。しかし,このような性器系にたいする作用がいかなる機序によつておこるかはまだあきらかにされていない。一方,Lithospermumの成分についてさきにわれわれは,その主成分がフマール酸と無水コハク酸であり,そのほかにわれわれのいうC物質(最近キノン体であることがあきらかになつた)をふくむことを証明した。いうまでもなくフマール酸とコハク酸は,生体内代謝にきわめて重要な地位をしめるTCA Cycleにぞくし,コハク酸は生体内にてフマール酸に移行すると考えられている。そこでわれわれは,フマール酸をもちいて,Gonado—tropinにたいする不活化作用の有無,短期および長期投与による卵巣の変化,家兎銅塩排卵にたいする影響および性周期にたいする影響など主として卵巣にたいする作用について実験したので成績を報告する。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1294

印刷版ISSN:0386-9865

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