文献詳細
臨床研究
文献概要
子宮腟部のビランは,婦人科領域で最も多い疾患の1つであるが,われわれは,すべてのビランが治療の対象となるとは考えていない。すなわち,癌性変化が明らかに否定でき,患者自らも無症状で自覚していないような軽度のビランがそれである。然し,癌の疑わしいビランは勿論であるが,癌に対する知識の普及した今日,帯下の増量・血性帯下・接触出血などで,自ら癌をおそれて来診する患者も非常に増加してきた。われわれは,これらに対して可成り積極的ともいえる態度で,コルポスコピー・スメアテスト・パイオプシーを実施し,その結果により,癌として手術するもの,Sturmdorf氏法,follow-upするもの及び無異常群に分けている。この中で,後者の2群がもつとも多く,諸検査によって癌を否定されても,ビランが軽快〜治癒して,帯下・出血などの症状が消失しない限り,発癌年令の婦人にとつては,大きな苦痛であり重要な問題である。
さて,その治療は大別して,薬物療法,焼灼療法,手術療法および理学療法の4種があるが,実際には多種多様であって的確な療法といえるものはなく,ただ手術療法によって良好な成績が期待される。これは,ビランが組織形態学的に種々な様相を呈するとともに,いろいろな要素の影響下にあつて,治癒しがたく再発しやすい特色があるので,病巣を別除するSturmdorf氏法などが比較的好成績を示すのは当然であろう。
さて,その治療は大別して,薬物療法,焼灼療法,手術療法および理学療法の4種があるが,実際には多種多様であって的確な療法といえるものはなく,ただ手術療法によって良好な成績が期待される。これは,ビランが組織形態学的に種々な様相を呈するとともに,いろいろな要素の影響下にあつて,治癒しがたく再発しやすい特色があるので,病巣を別除するSturmdorf氏法などが比較的好成績を示すのは当然であろう。
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