文献詳細
薬剤の臨床
文献概要
Ⅰ.緒言
近年,抗生物質製剤の進歩は著しいものがあり,数多くの抗生物質が臨床的に広く用いられているが,われわれ婦人科医にとつては,本剤の投与が,健康成熟婦人の膣内に常棲し其の自浄作用に主役を演じていると云われるDoderlein桿菌(以下D菌と略す)に如何なる影響を及ぼすかと云うことは重要な問題である。出来得れば病原菌に選択的に作用しD菌には影響のない薬剤が望まれるわけである。従来,之等に関する研究報告は比較的乏しく,私は1957年抗生物質及びサルファ剤に対するD菌の感受性に就き検索し之を報告したが,その後更に新抗生物質が登場し市販されるに至つているので,之等数種を加えて実験を行い,聊か見るべき知見を得たのでその成績を発表し度い。
近年,抗生物質製剤の進歩は著しいものがあり,数多くの抗生物質が臨床的に広く用いられているが,われわれ婦人科医にとつては,本剤の投与が,健康成熟婦人の膣内に常棲し其の自浄作用に主役を演じていると云われるDoderlein桿菌(以下D菌と略す)に如何なる影響を及ぼすかと云うことは重要な問題である。出来得れば病原菌に選択的に作用しD菌には影響のない薬剤が望まれるわけである。従来,之等に関する研究報告は比較的乏しく,私は1957年抗生物質及びサルファ剤に対するD菌の感受性に就き検索し之を報告したが,その後更に新抗生物質が登場し市販されるに至つているので,之等数種を加えて実験を行い,聊か見るべき知見を得たのでその成績を発表し度い。
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