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文献詳細

雑誌文献

臨床婦人科産科15巻11号

1961年11月発行

臨床研究

ビタミンK4の赤血球に及ぼす影響

著者: 小泉博1

所属機関: 1東京大学医学部産科婦人科学教室

ページ範囲:P.907 - P.912

文献概要

Ⅰ.はしがき
 ビタミンKはKoagulations-Vitaminとして血液凝固の一過程であるプロトロンビン形成に重要な役割を演ずる物質であることは周知の如くであるが,Javert (1940)は胎盤後血腫,胎盤早剥時の母体血,新生児出血症の場合に低プロトロンビン血症のあることをみて,習慣性流産の治療にビタミンKを使用して以来,新生児メレナ,頭蓋内出血,眼底出血,新生児黄疸などの予防或いは治療に広く用いられている。然るに1953年にAllisonが,未熟児のハインツ小体溶血性貧血がビタミンK (以下V.Kと略)の中毒症状であることを報告してから,V.Kの大量投与を受けた未熟児に過ビリルビン血症,更に核黄疸を発生する頻度が高いことが注目され,V.K過剰投与の害が論ぜられている。
 著者はV.K4の大量投与が家兎の赤血球及び肝に如何なる障害を与えるかを観察し,新生児赤血球の機械的脆弱性に及ぼす影響を検討したので報告する。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1294

印刷版ISSN:0386-9865

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