文献詳細
薬剤の臨床
肝疾患に対するHomocysteine-thiolactonの臨床効果
著者: 鴛海正平1 舘野政也1 富原啓吉1 鈴木善忠1
所属機関: 1金沢大学医学部産科婦人科学教室
ページ範囲:P.932 - P.934
文献概要
肝機能の重要性は近来特に強調されるところであり,ために肝障碍に対する薬物療法も長足の進歩を遂げている感がある。たとえば必須アミノ酸の1つたるMethionine,合成グルクロン酸たるGuronsan,天然胆汁酸中のコール酸を酸化したDehychol,グリチルリチンを主体とするGlycy—ronの他,ビタミンK,ビタミンCならびにビタミンB群に属し,Thioctic acidを主とするThioctan,Orotonsanなどがあり,夫々多少の適応症の差異はあるけれども一般に広く使用されている現況にある。かくして従来,ブドウ糖,Insulin療法に始まつた肝臓療法が,この様な発展をとげてはいるが未だ完壁を期するまでには到つていないようである。さてMethionineなどの肝療法剤は生体内で脱メチル化されてHomo—cysteineとなり,更に肝に作用してCystathio—nine,次いでCysteineとなり解毒作用を発揮するものと考えられている。このさいHomocys—teineが生体内で重要な役割を果し,肝障碍に対する作用は極めて効果的であるとされている。今回,われわれはHomocysteine-thiolactonを三共KKより提供され,これを臨床応用する機会を得,少数例ながら認むべき成績が得られたので以下報告する。
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