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文献詳細

雑誌文献

臨床婦人科産科15巻11号

1961年11月発行

薬剤の臨床

肝疾患に対するHomocysteine-thiolactonの臨床効果

著者: 鴛海正平1 舘野政也1 富原啓吉1 鈴木善忠1

所属機関: 1金沢大学医学部産科婦人科学教室

ページ範囲:P.932 - P.934

文献概要

Ⅰ.緒言
 肝機能の重要性は近来特に強調されるところであり,ために肝障碍に対する薬物療法も長足の進歩を遂げている感がある。たとえば必須アミノ酸の1つたるMethionine,合成グルクロン酸たるGuronsan,天然胆汁酸中のコール酸を酸化したDehychol,グリチルリチンを主体とするGlycy—ronの他,ビタミンK,ビタミンCならびにビタミンB群に属し,Thioctic acidを主とするThioctan,Orotonsanなどがあり,夫々多少の適応症の差異はあるけれども一般に広く使用されている現況にある。かくして従来,ブドウ糖,Insulin療法に始まつた肝臓療法が,この様な発展をとげてはいるが未だ完壁を期するまでには到つていないようである。さてMethionineなどの肝療法剤は生体内で脱メチル化されてHomo—cysteineとなり,更に肝に作用してCystathio—nine,次いでCysteineとなり解毒作用を発揮するものと考えられている。このさいHomocys—teineが生体内で重要な役割を果し,肝障碍に対する作用は極めて効果的であるとされている。今回,われわれはHomocysteine-thiolactonを三共KKより提供され,これを臨床応用する機会を得,少数例ながら認むべき成績が得られたので以下報告する。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1294

印刷版ISSN:0386-9865

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