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文献詳細

雑誌文献

臨床婦人科産科15巻12号

1961年12月発行

文献概要

臨床的研究

正常妊娠子宮着床部の組織学的研究

著者: 高見澤裕吉1

所属機関: 1千葉大学医学部産婦人科学教室

ページ範囲:P.980 - P.985

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はしがき
 胎盤の組織学的研究は,O. Grosser (1927)以来,H. Stieve (1936) G. Wislocky (1943)楠元(1939)等により報告され,その逐月的変化についても良く人の知る所である。一方絨毛上皮腫も同じ胎児外胚葉に属するトロホブラストに由来する事はMarchand (1895)以来周知の事実である。近年Novak (1954)は,絨毛上皮腫と誤診された85例の組織標本に於て,その内容の27%が単なる絨毛細胞浸潤,流産等であった事を報じ,卵着床部に於ける正常絨毛組織の母組織破壊像を悪絨と誤診せぬよう注意を促した。この事実は,正常妊娠,胞状奇胎に於ける絨毛組織の正常なる破壊性についての知見が乏しい為と考えられる。今回各々の原因により摘出した正常妊娠子宮の着床部を組織学的に検索したのでここに報告する。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1294

印刷版ISSN:0386-9865

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