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文献詳細

雑誌文献

臨床婦人科産科15巻12号

1961年12月発行

文献抄録

妊婦の血管内脱線維素現象,他

ページ範囲:P.993 - P.993

文献概要

 分娩後の下垂体不全の有力な機序として,下垂体壌死があげられたが,これは細菌性の血栓栓塞によるのでなく,線維素の血管内沈着によるという意見が多い。両側腎皮質壌死もシヨックというより線維素の血管内沈着によるという説が強い。本報では血管内のdefibrinationと思われる2例を述べている。34才多産婦。第9回妊娠の44週,分娩誘発にpituitrin静注。4日後疼痛開始。子宮出血あり,胎児運動消え胎児心音聴取できず。第1型前置胎盤。帝王切開。胎児は死亡し産婦はシヨックに陥つたので4l輸血。出血傾向はじまり,afibrinogenemiaである。Fibrinogen 11g注。状態改善せず。無尿。第9日昏睡死。腎・副腎・下垂体に壌死巣あり,その血管内に線維素血栓あり。第2例7回径産の36才妊婦。第34週に下腹痛あり子宮出血30ccあり,胎児心音きこえず。悪心嘔吐・セキ・チアノーゼ始まる。入院,輸血したが再度の出血あり虚脱す。血液凝固時間15分以上。5gのfibrinogen静注するも逐に死亡。剖検。肺に小さい羊水栓塞多発。腎著変なし。組織学的に肺・腎に線維素血栓多数あり。子宮内よりCl.fallax培養さる。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1294

印刷版ISSN:0386-9865

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