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文献詳細

雑誌文献

臨床婦人科産科15巻12号

1961年12月発行

薬剤の臨床

自律神経性婦人疾患に対するTofranilの使用経験

著者: 長谷川直義1 三浦黎子1

所属機関: 1東北大学医学部産婦人科教室

ページ範囲:P.995 - P.998

文献概要

はしがき
 更年期障害を含む自律神経性婦人疾患に対する治療は従来,ホルモン療法が主に取上げられて来た傾向がある。従つて本疾患の原因についても内分泌異常にあるという誤謬を冒し易い。然し本疾患はひとりホルモン療法に限らず,非ホルモン療法例えば0.5%塩酸プロカイン緩徐静注療法などでも卓れた治療効果を挙げ得ることは既に知られた事実である。更にここ数年来の傾向として,本疾患の治療に,いわゆる向精神薬(Psychotropic drugs)が試みられている。わが教室では中枢神経遮断剤(Neuroplegica)としてChlorpromazineを用い有効率83.3%の成績を得1),また精神安定剤(Tranquilizer,静穏剤)としてMeprobamateを用い有効率92%の好成績を得ている。両者は中枢抑制剤(Depressants)として一括されているが,之に対し中枢神経あるいは精神機能を賦活し活動性を亢進せしめる作用をもつ精神賦活剤(Psychic energizers,Psychoanalepties,中枢刺激剤=Stimulants,あるいは抗うつ病剤An—tiodepressants)の一つであるCatronなども本症に試みられ,極めて良好なる成績を挙げた3)

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1294

印刷版ISSN:0386-9865

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