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文献詳細

雑誌文献

臨床婦人科産科15巻2号

1961年02月発行

文献概要

臨床研究

チユービング腰椎麻酔法

著者: 森新太郎1

所属機関: 1住友病院

ページ範囲:P.95 - P.99

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Ⅰ.緒言
 腰椎麻酔法(腰麻法と略す)は現在最も多く使用されている麻酔法であり特に産婦人科開腹術においてはその主力をなしているものであるが本法の欠点も亦種々挙げられている。即ち最も重大なるものが麻痺に対する調節性がないことである。従つて呼吸抑制の危険とか循環障碍特に血圧急下降の危険がある。次に術中鎮静或は睡眠の必要に迫られるためしばしば補助麻酔剤を必要とする。第3に術中悪心嘔吐が少なくなく又術後に神経障碍を起したり,腰麻後の頭痛を来すことが多い。第4に麻酔持続時間が最初よりはつきり予想出来ぬ不利がある。第5に技術上の失敗が起り得る。等である。之等の欠点は従来までの腰麻法では到底免れ得ない宿命的なものであり,この点より観れば腰麻法の研究は一応行き詰つた点に来ているかの如き観があるようである。
 私は従来までの腰麻法(シングル腰麻法と略す)とやや趣きを変えたチューブ挿置による腰麻法(チュービング腰麻法と略す)を採用することにより,上述の欠点の多くを取除くことが出来,又臨床上非常に有利であることを認め,理想的腰麻法の域に近づき得たと信じ報告する。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1294

印刷版ISSN:0386-9865

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