文献詳細
症例報告
文献概要
Ⅰ.緒言
一般に初産婦では,分娩初期に一過性に後頭頂骨定位をとることは周知の事実であるが,まれに高度の後頭頂骨定位は分娩停止の原因となる。このような後頭頂骨定位による分娩障害については,現在まで外国において若干の報告があるが本邦でははなはだ稀のようである。私は24歳の妊娠10ヵ月,初産婦で陣痛,産道,胎児などにさして異常をみとめないのに児頭下降が障害され,帝王切開術により子宮体前面に横行結腸が下降し,このために胎児は後頭頂骨定位をとり正常分娩が妨げられたと思われる症例を経験したので報告する。
一般に初産婦では,分娩初期に一過性に後頭頂骨定位をとることは周知の事実であるが,まれに高度の後頭頂骨定位は分娩停止の原因となる。このような後頭頂骨定位による分娩障害については,現在まで外国において若干の報告があるが本邦でははなはだ稀のようである。私は24歳の妊娠10ヵ月,初産婦で陣痛,産道,胎児などにさして異常をみとめないのに児頭下降が障害され,帝王切開術により子宮体前面に横行結腸が下降し,このために胎児は後頭頂骨定位をとり正常分娩が妨げられたと思われる症例を経験したので報告する。
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